皆さま、あけましておめでとうございます。株式会社Halu 代表の松本友理です。
本年も、IKOUとチーム一同をよろしくお願いいたします。
年末年始は家族で沖縄旅行に出かけましたが、IKOUポータブルチェアがあることで、お出かけのハードルがぐっと下がることを改めて実感し、息子と家族みんなにとっての新しい経験や思い出がたくさんできました。
私はもともと休みの日は家でのんびり過ごしたいタイプですが、夫は真逆で常に外でアクティブに過ごしていたいタイプ。その影響もあってか、脳性まひで歩けない息子もお出かけが大好きです。また、家族みんなが美味しいものを食べることが大好きなので、外食の機会が多い一家でもあります。そんなわが家にとって、「思い立った時に行きたいところに行ける」ことには、非常に大きな価値があるのです。
IKOUポータブルチェアが完成する前は、新しく行ってみたいレストランがあれば、画像検索や口コミサイト、SNSなどでまずは内装を調べることが必須でした。当時は、ベビー用のバスチェアを外出時の椅子として使っていたので、バスチェアを安定して乗せるために、設置されている大人用の椅子がフラットで十分な座面の広さがあるタイプかどうかを確認。設置が難しそうであれば、次の選択肢であるベビーカーが入る広さがあるかどうかを確認していました。でも、ベビーカーだと背もたれが寝ているので首が上を向いてしまって嚥下が上手くできず、どうしても咽せてしまいがち。
他にも、テーブルにつけるタイプのベビーチェアの背もたれをダンボールで延長してみたり、滑り止めマットとチェアベルトを併用してみたり、本当にいろいろなことを試しました。今振り返れば、当事者の体験を起点としてこれまでにないプロダクトを生み出すというIKOUのインクルーシブデザインのアプローチにつながる経験をこの頃から積んでいたのかなと思います。
わが家は夫婦共々メーカー出身で、市販のベビー用品の中から息子が使えそうなものを見つけ出したり、それを改造することを楽しむことができたので、試行錯誤を続けましたが、お子さんが座る場所を確保できないことによって「行きたい場所に行く」ことを諦めてしまうご家族もきっといらっしゃるのではないかと思います。障がいのある子どもやその家族の行動範囲が狭まってしまうことによって、ますます健常児やその家族と同じ空間で過ごす機会が少なくなり、両者の隔たりはますます大きくなってしまいます。
IKOUポータブルチェアは、「これさえあれば、きっとなんとかなるはず。」という心のお守りのような存在として、家族の背中をそっと押してくれるアイテムになることを願って開発しました。
息子が6歳になった今、もっと小さいお子さんを育てているママやパパに伝えたいのは、「子どもが小さいうちにたくさんの経験を積むことは、家族みんなにとっての自信になる」ということです。身体が大きくなると、どうしても抱っこや移乗の負荷が大きくなり、出かけられる場所にも制約が出てきます。でも、まだ身体が小さいうちであれば、身軽にいろんな場所にいくことができる。そして、「子どもに障がいがあっても、プロダクトを工夫すればなんでもできるし、楽しめる」という原体験が、きっとその後の家族みんなの生活を照らす道標になってくれると思うのです。
今年は、もっともっとたくさんのお子さんやそのご家族にIKOUのプロダクトを手に取っていただき、家族の時間を豊かにするお手伝いができるよう、届ける・伝える努力を重ねていきたいと思っています。
本年も、皆さんの応援をどうぞよろしくお願いいたします。