「だいまるきょうとっこがくえん」にてインクルーシブデザインについての授業を行いました

インクルーシブデザインってなに?授業風景

皆さん、こんにちは。

2月23日に大丸京都店「だいまるきょうとっこがくえん」にてIKOUスタッフが小学生向けにインクルーシブデザインについての授業をさせていただきました。本日はそのイベントレポートをお送りします。

今回、IKOUスタッフが行ったのは、「インクルーシブデザインってなに?」という授業。参加対象は、5歳〜12歳の子どもたちです。

どうしたら、まだまだ大人にもなじみが薄い”インクルーシブデザイン”に興味をもってもらえるだろうか?そもそも “インクルーシブ”という言葉も聞いたことがないかもしれないし、 ”障がい”についての理解も難しいかもしれない…

子どもたちにわかりやすくインクルーシブデザインを伝えるということは難しいチャレンジでしたが、同時に、自分達の考えを整理し、改めて理解を深めるとても貴重な機会になりました。

授業では最初に、マイノリティとマジョリティの違い、障がいがあるとはどういうことなのか、障がいがある方の生活はどうなるのか、なぜ”インクルーシブデザイン”が必要なのか、など一つ一つを紐解いていきました。

良く耳にする「バリアフリー」や「ユニバーサルデザイン」との違いについてを、インクルーシブデザインの特徴や実例、IKOUポータブルチェアが開発された経緯など、参加している子どもたちだけでなく同伴されている保護者の皆様にも興味をもってもらえるように工夫しました。

そして、バリアフリーを実現するための道具である「ボタンエイド(片手でもボタンを止められる道具)」や「ソックスエイド(体を前に屈めなくても靴下を履ける道具)」を百円均一にあるものだけで作ってもらい、ボタンエイドを使ってカーディガンのボタンをとめてもらったところ、子どもたちからあがったのが「難しい〜!!」という声。ボタンエイド

障がいのある方の生活の不便さをイメージするとともに、「手がうまく使えない人でもとめやすいボタンや着やすい服があったらいいよね」というインクルーシブデザインの価値に気づいてもらうことができたのではないかと思います。

授業後には、「私もインクルーシブデザインについてはよく知らなかったので、勉強になりました」というご両親からの感想をいただいた一方で、子供たちからは「ちょっと難しかった」という正直な声も。

それでも、この授業を経験したことによって、これから先「インクルーシブデザイン」という言葉に再び出会った時には、「おや?聞いたことあるぞ」と興味をもって耳を傾けてくれるきっかけになるだけでも、大きな一歩だと思います。

そして、私たちにとって嬉しかったのが、1回目の授業が終わった後にわざわざ会場に戻ってきて、どうしたらもっと分かりやすい授業になるか、アドバイスを下さった参加者さまがいらっしゃったことでした。
そのアドバイスを取り入れて、2回目の授業では、身体的な障がいのある方の生活について言葉で説明するだけではなく、実際に片手や利き手の反対の手でカーディガンのボタンをとめる体験をしてもらい、不便な状況を体感してもらうことで、その状況を変える手段を「知りたい」と思う気持ちが芽生えるように工夫をしました。

IKOUの活動に共感してくださり、インクルーシブデザインをより多くの子どもたちに理解してもらうために一緒に考えてくださる方がいることが、とても心強く、背中を押していただいたように感じました。

そして、最初から全てを理解することは難しくても、子どもたちに「インクルーシブデザイン」の考え方に触れてもらうことによって、世の中にはさまざまなニーズを持つ人たちがいることを理解するだけでなく、デザインすることの面白さも知ってもらい、これからの未来に素敵なデザインがたくさん生み出されることを願っています。

ご参加いただきました皆さま、ご協力いただいた大丸京都店の皆さま、ありがとうございました!

デッチーくん
大丸京都店のシンボルキャラクター デッチーくんとIKOUポータブルチェア

「だいまるきょうとっこがくえん」では、 小学生以下のお子さまを対象に、「京都の歳時記」「文化」に関したものや、「衣」・「食」・「住」、そして「芸術」「職業体験」など、 “きょうとっこ” たちの未来につながるさまざまな授業やイベントが行われています。

だいまるきょうとっこがくえん
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