蟹江 庸司様 - メーカー勤務 エンジニア

蟹江 庸司 様

メーカー勤務 エンジニア

約1年前に、元上司の紹介で代表の松本さんと初めてお会いした時のことを、今も鮮明に覚えています。松本さんは非常に明るくパワーがあって、ご自身も障がい児の家族としてご苦労がありながら、社会の役に立とうとしているその姿に、感銘を受けました。

「これから創出するプロダクトは、障がい児/健常児などという境界なく使ってもらえるインクルーシブなものにしたい」旨を伺い、当初は「依頼を受ける」つもりが、当方から「手伝わせて欲しい」というスタンスに変わりました。
私自身が、「IKOUの仲間になりたい」という心境に、大きく変化していったのです。

私は、製造業で樹脂部品を主としたものづくりに長年携わってきました。最初のご相談は、「IKOUポータブルチェアの設計・製造にあたり、金型費用が膨れ上がっていて困っている」ということでした。松本さんとともに問題の根本を洗い出すところからスタートし、商品のクオリティは落とさずに、いかに工夫して原価を下げていくか、アドバイスをしながら伴走してきました。

一番苦心した点は、松本さんの求めるものを引き出し、現場と共有する作業でしょうか。「高級感」や「しっとり」といった、見た目や感性を表す言葉は、人によってイメージするものがバラバラです。ですから、松本さんが表現したいことを、できるだけ多くの具体物を使いながら確認し、ものづくりに関わる皆が同じものを目指せるよう努めました。

IKOUは、初めてお話を聞いた時から「変化」ではなく「進化」を遂げていることを感じています。私が携わったIKOU ポータブルチェアも、マイナーチェンジを繰り返しながら、より多くのユーザーに使ってもらえるプロダクトに進化していくといいなと思います。

ユニバーサル・デザインとはっきり差別化できるような、インクルーシブ・デザインの突破口となるブランドになることを期待しています。

IKOU (イコウ) ポータブルチェアの物語(商品開発編)